リーダーに必要な4つの気づきの技術

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ドア実験 70%の人が目の前の人物が入れ替わっても気づかない!|付いていきたいリーダーに必要な4つの気づきの技術

質問です。

「目の前で話していた人が
 突然別人になったら
 あなたは気づきますか?」

「当たり前でしょ」と言われそうです。
でも、本当にそうでしょうか?

1998年、ハーバード大学の
ダニエル・シモンズは後に伝説となる
ドア実験(the door study)」を行いました。

コーネル大学のキャンパス内で
地図を持った仕掛け人が、
歩行中の学生に建物の場所をたずねます。

その途中、大きなドアを抱えた
別の仕掛け人が話している2人の間を
割り込んで通過します。

そのわずか数秒のスキに、
地図をもった仕掛け人は
ドアにかくれて
別人と入れ替わっています。

両仕掛け人は、建設作業員の格好ですが、
帽子の文字やシャツの色や工具が異なり
あきらかな別人と分かります。

キャプチャ

▲実際の仕掛け人の様子 下記参考論文より引用

さて、何人の学生がこの変化に
気づいたのでしょうか?

目次

  1. 1. 97%の人が自分の知覚を過大評価している!
  2. 2. 変化を伝える4つのポイント
  3. 3. リーダーとは「変化」を知らせる人だ

1. 97%の人が自分の知覚を過大評価している!

実は、その場で仕掛け人の入れ替わりに
気づいたのは、参加者【12人中4人】でした。

実に7割の参加者が、ドアの通過後
何も気づかず、別人に建物の説明を
続けていたのです。

面白いのはここからです。

それから2年後、ケント州立大学の
ダニエル・レビンは、
このドア実験の一連の流れを写真でみせて、
学生たちに質問をしました。

「あなたが実験に参加していたら、
 入れ替わりに気づいていたと思いますか?」

結果は、295名中なんと288名、
実に【97.6%】が自分ならその場で
気づいていたと自信満々に回答したのです!

「見るとやるとでは大違い」ですよね。

少し考えてみましょう。

私たちの目は、ありのままの過去と連続した
風景を映しており、そこに変化があれば、
すぐに気づくはずと思っています。

しかし、「ドア実験」から分かる通り、
目の前で堂々とおこった変化ですら
少し意識が逸れれば、見落としてしまうのです。

2. 変化を伝える4つのポイント

「人は予想以上にうっかり屋だ」
何かを伝えるときは、この点を意識しましょう。

そこで必要なのは、変化の見落としを
できるだけ減らす工夫です。

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「ドア実験」を行った研究チームは
次の4つの要素を考察しています。

特に変化を伝える側の方に
(リーダー・教育者・講師・プレゼンテーター)
(トレーナー・ビジネスパーソン・セラピスト)
(カウンセラー等)にお役に立てますよ。

1)知ってほしい変化は、必ず言語化すること

良い例が「スケール法」です。

たとえば快不快などの感情は、
体重や体温のように計測はできせん。
しかし、それをあえて10段階の数値で
あらわしてもらうのです。


すると、目に見える形で変化を
とらえることができます。

2)変化の前後を同時にならべて見せて、
 判別しやすいポイントを設けること

前述のとおり、「ドア実験」も
静止画をならべられて解説されると、
ほぼ全員が容易に変化に
気づくことができました。

変化の前後(Before/After)の対比を
1つにまとめて提示することは
とても有効なアピール方法です。

売れる1行キャッチコピーも
急上昇するYouTubeの動画のサムネイルも
研修や授業で一番盛り上がるプログラムも
すべてこの要素があります。

3)見ている側がすぐに必要なニーズに
影響する変化を示すこと

たとえば、デートや面接中においては
どんなのんびり屋も相手の顔色の変化には
敏感になるものです。

なぜならば、そこには目的があるからです。
人は自分が本音で求める目的のためならば
脳の報酬回路が働き、関連しそうな情報を
貪欲に検出していきます。

その変化を知ることが、どれだけ
見る側のその後の人生に役立つか
意味付けを最初に伝えておくことです。

4)見ている側に変化の成功を予測してもらうこと

研修や講演会では、技術の実演をします。
この際、私はあえてスタッフではなく
初対面のお客様に壇上に上がっていただき
実演に協力していただきます。

すると、見ている側も「自分にもできるかも」と
予測が生まれ、それに合わせて行動して
頂けるのです。

結果として、その後の実習でも多くの方が
自分で変化を起こせるようになります。

3. リーダーとは「変化」を知らせる人だ

いかがでしたか?

私たちのいる世界はこの瞬間も
大きく変化をしています。
しかし、「うっかり屋さん」の私たちは
それをつい見落としてしまいます。

そこで、必要とされるのがリーダーです。
リーダーは、周囲の変化を気づかせます。
そして、メンバー1人1人が変化する手助けをします。

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本日の記事がそんなリーダーとなる
あなたのお役に立てたならば幸いです。

ありがとうございました。

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