「成功は自分のおかげ!」??
この言葉、あなたの近くでよく聞こえて来ませんか?
それともご自身が言ってますか?
「成功は自分のおかげ、失敗は相手のせい」
「自分はいつも損ばかり」
でも、こんなこと言う人はちょっと嫌ですよね。
私たち誰もがそう考えてしまいます。
なぜならば、自分のしている事の方が身近に感じ一番
目に入るからです。
この精神状態を「自己中心性バイアス」といいます。
悪気も害意もないけど、
今回は、人生を損させてしまうこの作用を抑える工夫をお伝えします!
1.人は誰しも自分の貢献を過大評価する傾向がある
1979年、カナダ ウォーターロー大学の
マイケル・ロスらの研究チームは
有名な実験を行いました。
実験1
37組の夫婦(うち20組は子どもがいる)に
こんなアンケートを出します。
そこには、よくある夫婦の決め事・
揉め事が20個書かれていました。
皿洗いから始まり、家事の分担や子どもを作る選択まで
内容はバラエィに富んでいます。
夫婦は各事項について、自分と配偶者が決められた仕事に
どれくらい関与・貢献していたか
評価をつけて行ってもらいました。
普通なら2人のことなので、お互いの割合に
関わらず合計は100%になるはずですよね。
しかし、結果は37組中27組の夫婦が評価の数値が超過しました。
つまり夫婦の両方、もしくは片方が
自分の貢献度合を過大評価していたのです。
項目ベースでみると、20項目のうち
16項目が過大評価の対象になっていました。
実に興味深いですね。
実験2
40名の男子学生にペアになってもらい
政府の委員会に出す禁煙政策のアイディアを
45分間議論してもらいます。
被験者は次の2つのグループにわかれます。
A:議論中に【自分が】貢献した
意見・アイディアを記録する
B:議論中に【相手が】貢献した
意見・アイディアを記録する
2~3日後、その記録をもとに
議論の各段階でどちらがアイディアの
完成に貢献し、議論の主導権を
握っていたか評価をしてもらいます。
その結果、【自分】の貢献を
記録していたAグループは
議論全体での
自分:他人の貢献を【89対72】と
評価しました。
つまり、自分の方が【1.2倍】も議論の
進展に貢献していたと主張しているのです。
面白いことに【相手の】貢献を記録していた
Bグループは、相手の貢献を50%以下と
評価していました。
2. 相手に感謝することを真っ先に考えるぐらいで、ちょうどいい
いかがですか?
「自分の方が相手よりも優秀だ」
「自分の方が相手より頑張っている」
「成功は自分のおかげで、失敗は相手のせい」
人間は大なり小なりこうした
偏見をもっています。
これを「自己中心性バイアス」といいます。
あなたも経験があるかもしれません。
私も耳が痛いこともあります。
事態を能動的にコントロールしたいのは
人間の健全な本能です。
とはいえ、人の認識はどうしても
他人のすることよりも自分のしたことの方が
記憶に残ってしまいます。
そのために、こうしたバイアスが生まれるのです。
決して悪気も害意もありません。
だから、相手を責めることも
自分を恥じることもありません。
その代わり、真っ先に相手に感謝するところを
探す習慣をつけましょう。
そのくらいではじめてバランスがとれるのです。
そうすれば、いつのまにか
パートナーや仲間との関係性が
良くなることに気づかれるでしょう。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。